平成26年度 調査報告書 はじめに

本報告書は特定非営利活動法人日本セルプセンターが農林水産省より本年度受託した「平成26年度都市農村共生・対流総合対策交付金の共生・対流促進計画」事業にかかる調査研究について報告するものである。

昨年度は、障害者福祉事業所へのアンケート調査およびモデル調査を中心に行ったが、本年度は農家、農業法人等における障害者福祉事業所との関係についてのアンケート調査、県における福祉側と農業側をマッチングさせる取り組みについての実態調査、農業および6次産業化・地域連携等に取り組む障害者福祉事業所等についての事例調査を行った。

これを通じ、一層の障害者の工賃向上および就業機会、就業分野を開拓するとともに、担い手不足や耕作放棄地の増加等の課題を抱える農業の振興に貢献するものである。

調査研究方法

農家、農業法人等における農業分野での障害者福祉事業所との関わりの現状を把握するためにアンケート調査、農家、農業法人等が障害者福祉事業所へ作業委託を行うためのマッチングおよび作業支援にかかる県の取り組みについてヒアリング調査、農業および6次産業化・地域連携等に取り組む障害者福祉事業所等へのヒアリング調査を実施した。

1. 農家、農業法人等における障害者福祉事業所との関わりについてのアンケート調査

既に農家、農業法人等が障害者福祉事業所へ農作業や加工作業を委託するためのマッチングを行っている県(県が農業にかかる公社、福祉にかかる中間支援団体へ委託しているものを含む)、さらには民間団体でマッチングを行うNPO法人、農家、農業法人等と農作業・加工・販売等での受委託関係および協力関係を持つ社会福祉法人を通じて、関係する農家、農業法人等へのアンケート調査を実施した。

なお、調査は農林水産省農村振興局農村政策部都市農村交流課と協議し実施した。

2. 県における農作業等にかかる作業受委託のマッチングについての調査

農家、農業法人等が障害者福祉事業所へ農作業や加工作業を委託するためのマッチングをコーディネーターを配置し行う、香川県および鳥取県の取り組みについてヒアリング調査を実施した。

  • 農家、農業法人等が障害者福祉事業所へ農作業や加工作業を委託するためのマッチングをコーディネーターを配置し行う、香川県および鳥取県の取り組みについてヒアリング調査を実施した。
  • 鳥取県は、就労継続支援B型事業所を対象とした県内のマッチングがかなりすすんでいる県であり、県が中間支援団体を介さず直轄事業としてマッチングを行い(平成22・23年度は県直轄事業、平成24・25年度は中間支援団体へ委託、平成26年度は県直轄事業)、農家、農業法人等と事業所との間で直接作業受委託契約を結ぶ形での取り組みを行っている。

なお、本報告書にはマッチング時に両県で使用されている契約書等の「様式」を資料(PDFファイル)として掲載している。

3. 県における農作業等にかかる作業受委託の作業支援についての調査

島根県および長野県では、県によるマッチングにも取り組んでいるが、農作業を実施する現場において障害者および事業所職員を支援するために、農業技術および作業にかかる支援員(以下、サポーター)を配置していることから、その取り組みについてヒアリング調査を実施した。

  • 島根県は、平成25年度より取り組み始めた県であり、県が農業にかかる公社に委託して取り組んでいる。サポーターは元県農業普及指導員の農業経験者を主体とし、作業受託前段階として事業所職員への基礎的な農業技術指導を事業所の農場等において実施している。
  • 長野県は、平成26年度より取り組み始めた県であり、県が福祉にかかる中間支援団体に委託して取り組んでいる。サポーターは農業経験のない者を主体とし、作業受託現場における作業補助、農業技術指導補助を実施している。
4. 農業および6次産業化・地域連携等に取り組む事業所および法人等における事例調査

農業に加え、加工、販売、飲食事業等の6次産業化にも取り組み、さらには地域とのさまざまな連携に取り組む事業所および法人等へのヒアリング調査を実施した。

作業スケジュール

平成26年•27年8~2月アンケート調査、ヒアリング調査等の実施
平成27年1~3月調査結果のとりまとめ
平成27年3月報告書の提出

調査研究担当者

一般社団法人JA共済総合研究所
調査研究部 高齢社会・福祉グループ 主任研究員 濱田健司