農家、農業法人等における障害者福祉事業所との関わりについてのアンケート調査

農作業委託について §1

農作業の委託状況と委託経緯

農作業の委託状況

障害者福祉事業所に対する農作業の委託状況をみると、「委託している」が86.4%、「委託するつもりはない」が9.9%、「今後、委託していきたい」が3.7%となっている。【問1】

ただし、この結果は、農家等全体の取り組み状況を反映するものではなく、あくまでも今回の調査対象である農作業の委託または加工・販売等の委託を実施している農家等についての結果である点に留意が必要である。

ちなみに、販売・加工等の委託のみを実施している農家等について農作業の委託状況をみると、「委託するつもりはない」が72.7%であるが、「今後、委託していきたい」が27.3%という意向を持っている。

農作業委託のきっかけ

農作業委託を実施している70件の農家等における農作業委託のきっかけをみると、「障害者福祉事業所の関係者からの紹介、問い合わせ」(28.6%)ばかりでなく、「県等の職員による紹介、問い合わせ」(27.1%)、「公社、センター、NPO等のコーディネーターによる紹介、問い合わせ」(22.9%)、「JA、生産部会からの紹介、問い合わせ」(20.0%)など、福祉側と農業側をマッチングさせるコーディネーターを配置する県が多いため、第三者を媒介とするケースが多い【問2】

農作業委託の取組開始時期別にみると、「1~2年前」、あるいは「3~4年前」など比較的最近の取り組みは第三者を媒介するケースが多いが、「5年以上前」となると「障害者福祉事業所の関係者からの問い合わせ」が中心となっている。

1〜2年前:N=25|3〜4年前:N=23|5年以上前:N=16

当初の目的

農作業委託の当初の目的をみると、「農繁期の作業を手伝ってもらうため」が81.4%と最も多く、次いで「担い手が不足し、農地管理が大変になってきているため」(44.3%)、「農業生産規模を維持するため」(27.1%)などが上位にあげられている。

いずれの項目も高齢化や後継者不足等による担い手不足の深刻化が背景にあると考えられ、農家等にとっては担い手不足の解消が第一義的な目的、動機づけとなっていることが分かる。また、「県、公社等の依頼を受け、農福連携にかかる取り組みに協力するため」が37.1%を占め、行政の積極的な推進策が効果を発揮するケースも少なくない。一方、「農業生産規模を拡大するため」(22.9%)といった積極姿勢の農家等もある点が注目される。【問3】

現在の目的

農作業委託の現在の目的をみると、上位項目の回答傾向は当初の目的とほぼ同じであるが、「県、公社等の依頼を受け、農福連携にかかる取り組みに協力するため」が当初の目的の37.1%から現在の目的の28.6%に減少、一方、「地域貢献活動の一環として」が当初目的の18.6%から現在の目的の30.0%に増加、「農業生産規模を拡大するため」が同様に22.9%から30.0%に増加している。委託を実施することで、地域貢献の意識の醸成に繋がっていること、さらに生産規模の拡大を狙う農家等が出てきていることが窺われる。【問6】

取組開始時期

農作業委託の取組開始時期をみると、「1~2年前」(35.7%)や「3~4年前」(32.9%)が多く、農作業委託は比較的最近の取り組みであることを示している。【問4】

委託パターン別にみると、加工・販売等を同時に委託している農家等の場合「5年以上」の割合が農作業委託だけを実施している農家等に比べ高く、比較的早くからの取り組んでいることが分かる。