県における農作業等にかかる作業受委託のマッチングについての調査

農作業受託にかかる農家、農業法人等と障害者福祉事業所のマッチング事業

マッチング事業の今後のあり方について

農家、農業法人から事業所への農作業委託のためのマッチング事業におけるコーディネーターは極めて重要な役割を持っている。以下では、両県の取り組みを踏まえ、マッチング事業を取り組むにあたってのポイントについて整理する。


01)コーディネーターの条件
コーディネーターは農業および福祉についての経験者であることが望ましいが、必ずしも経験者でなくても良い(他県でのコーディネーターは農業および福祉の未経験者)。農業や福祉について理解することができ、さらに民間での流通などの他分野の知識や経験を有する者であれば良い。コーディネーターはさまざまな立場が理解でき、客観的に把握できることが求められるためである。
特に、①多くの人々との関わり経験がある、②経営等のバランス感覚がある、③カルテを作成できるといったことが重要となる。
そしてコーディネーターが役割を果たしやすいよう、場合によっては中間支援団体等に業務を委託することも必要となる。
02)配置
  • 県等の行政を加えたさまざまな地域団体による情報交換をするためのブロック・都道府県単位の協議会を設立する。
  • 数十万人単位の圏域・都道府県に配置する。ただし、とりまとめは1都道府県単位とする。それを統括する事務局を1都道府県単位で設置する。圏域単位でも可能であるが、その場合、圏域間での情報共有および支援の協力体制を構築することが必要となる。
  • これらの事業主体は都道府県となるが、必要に応じて中間支援団体、公社などへ委託する。例)福祉にかかる中間支援団体、農業にかかる公社など。
03)実施するための必要な支援

マッチング事業を実施するために必要な支援は以下の通りである。

  • コーディネーターの人件費と事務局費用の確保
  • カルテ等の様式の作成
  • こ協議会の設立支援
04)留意点

マッチングをすすめるにあたって留意する点は以下の通りである。

<取り組み始め>
  • マッチングをPRすること
  • 農家、農業法人等が受入れやすい条件を整えること
  • 事業所が参加しやすい条件を整えること
  • 行政に役割を持ち関わってもらうこと
  • コーディネーターの配置にかかる経費の確保(人件費、事務局費用、車にかかる保険費用・減価償却費など)
  • 農場でのトイレ、休憩所等の確保
<取り組み後>
  • 関係者のそれぞれの関係性を大切にすること
  • 可能であれば中間支援団体等が調整すること(仕事の配分、事務負担の軽減、臨機応変な対応、その他調整)
  • なるべく多くの地域でマッチングがすすむようにすること(福祉側と農業側の意欲を向上させること)
  • 障害者の農業技術の向上
  • 事業所間の連携を高めること
  • 圏域(地域)間の連携を高めること

おわりに

マッチング事業によって、地域での福祉側および農業側とのマッチングがある程度すすんでも、継続してマッチングするコーディネーターまたはそれに代替する機能が必要になると考えられる。それは①新規・継続した作業受委託のマッチング機会の創出、②第三者が福祉側や農業側の双方の立場を理解しつつ、さまざまな調整を行った方が当事者同士よりも現場での課題の解決や新たな提案を行いやすいためである。

さらに、これからのマッチングは「農業側⇒福祉側」だけでなく、「福祉側⇒農業側」という取り組みも期待される。そして農福連携を超えた「農福商工連携」へのマッチングも重要である。

加えて、今後、地域に存在するさまざまな主体が(農福以外の主体も)連携するには、こうしたマッチングおよびコーディネート機能の発揮が今後ますます期待される。そのため中間支援団体のような、地域におけるさまざまな主体の関係や考え方などを理解でき、かつ繋げることのできる団体(機能)の存在が今後ますます重要になると考えられる。