県における農作業等にかかる作業受委託の作業支援についての調査

農家•農業法人等からの農作業受託のために障害者福祉事業所を支援するサポーター事業

サポーター事業の今後のあり方について

サポーターによる支援は農業経験のない事業所および事業所職員にとって、施設外就労等の農作業に従事する場合、その意義は大きい。以下では、両県の取り組みを踏まえ、サポーター事業に取り組むにあたってのポイントについて整理する。


01)農業技術指導サポーター
サポーターは農業経験者である、農家や県農業普及指導員・JA営農指導員・農業高校教員・農業大学校教員等のOBなどに期待される。福祉について学ぶ比較的簡単な研修会を設けることで、育成することが可能である。
事業所が初めて農作業を行うだけでなく、新しい農作業、より高度な農作業を行うためには、専門的な農業技術を有する農業技術指導サポーターの役割が期待される。また農業施策や地域農業の情報などの農業情報の提供についても期待される。なお、受託先の農場において職員や障害者が技術の習得に時間を有する場合、一定期間は作業補助サポーターとしての役割を担うこともある。
支援期間は、事業所の求めに応じ、取り組み始めや新たな作業に取り組むときなどが想定され、適宜実施する。
02)作業補助サポーター
作業補助サポーターは農業経験者以外でも可能であり、簡単な農業技術および福祉について学ぶ研修を受けることで育成することが可能である。
農作業受託を初めて行う事業所にとっては、高度な農業技術指導というより職員や障害者の作業補助員としてのサポーターの役割が期待される。特に施設外就労ではユニット単位(障害者3名以上に対して職員1名)での活動となることから、施設外就労時の施設内作業等にかかる職員が減るため、こうした作業補助員の存在は重要となる。
支援期間は、事業所の求めに応じ、適宜実施することとなるが、事業所職員や障害者が慣れるまでの取り組み始めの6か月~2年程度が想定される。
03)配置
  • 数十万人単位の圏域・都道府県に配置する。ただし、とりまとめは1県単位とする。
  • それを統括する事務局を1都道府県単位で設置する。

    ⇒圏域単位でも可能であるが、圏域間での情報共有および支援の協力体制を構築することが必要となる。

  • サポーター育成にかかる研修会を開催する。

    都道府県(委託を受けた福祉にかかる中間支援団体の中央組織またはその都道府県支部、農業にかかる公社など)が実施

  • 事務局よりサポーターを派遣する。
  • これらは都道府県が事業主体となる(必要に応じて委託)

    都道府県(福祉にかかる中間支援団体、農業にかかる公社など)が実施

  • サポーターは以下のように分け取り組むことができる。

    • 農業技術指導サポーター
    • 作業補助サポーター
    • 農業技術指導サポーター兼作業補助サポーター
04)実施するための必要な費用

サポーター事業を実施するために必要な費用は以下の通りである。

  • サポーター育成のための研修等費用
  • サポーター派遣にかかる事務局費用および派遣費用(人件費、交通費、車両保険費用等)
  • 現場での事故や損害対応にかかる保険費用
05)留意点

現場での対応や事故対応を臨機応変に実施するためには、中間支援団体等の民間団体が行うと、よりスムーズな支援を実施することが可能となる。そのため、サポーターの現場での役割・責任を明確化することも重要であるが、現場での状況に応じて対応できるようにしておくことが重要となる。

また作業補助サポーターは事業所が農業に取り組み始めるとき重要な役割を果たすが、農業技術指導サポーターは取り組み始めだけでなく、新たな技術を習得するときも重要な役割を果たす。

県などにおいて農福連携の現状および今後の方向性を勘案し、かつ地域・県行政・関係機関の状況に応じて、どのようなサポーター事業を整備するかについて検討することが必要である。

おわりに

サポーターの存在は、特に農作業受託する初めのころに重要な役割を果たす。また特定の農家等と事業所の間で農作業委託が恒常的に行われるようになると、農家等はより多くの作業、よりいろいろな作業、そして高度な作業の委託を期待する。

そのため、農業技術指導サポーターは、農作業受委託の開始前後だけでなく、恒常的な支援を行うことが必要となる。したがって行政等からの補助がなくなっても、継続できる農業技術指導サポーターの育成・確保が重要になる。

作業補助サポーターについては開始時期に行政等による補助があるとより、農家等そして事業所にとっても取り組みやすくなる。