農業の取り組み|事例紹介 §3

社会福祉法人喜和会 太陽の里

社会福祉法人太陽の里
(1)施設概要
設立
昭和61年(1986)
代表
理事長 池田哲夫
本部
島根県出雲市斐川町名島90

太陽の里は、就労継続支援B型、生活介護、入所支援等事業を行う障害者支援施設「太陽の里」、共同生活介護・援助事業を行う「湖西寮」「いわのホーム」等を運営し、そのほか相談支援、短期入所等も行い、障害者にかかる就労支援、施設入所支援に取り組んでいる。さらには特別養護老人ホーム「かんべの里」の介護保険支援事業を実施している。

施設内でのハウス栽培、農家から農地を借りて行う水田・畑での栽培、さらに農家からの作業受託を行っている。また、農産物加工にも取り組み、原料の一部を地域農家や近隣の障害者福祉事業所から購入している。3年前より農業中心の就労事業に転換を図った。

(2)調査日/対応者

平成26年12月5日/藤井茂氏ほか

(3)調査目的

地域農家およびほかの障害者福祉事業所と協力し、農業生産および6次産業化に取り組む事例について実態調査を行った。

(4)調査内容

表3 農業の取り組み概要

農地水田/2.5ha(借入地)、畑/35a(借入地)、水田/18a(所有地)、ハウス3棟/(18a)
農産物タマネギ(1.2ha)、キャベツ(80a)、白ネギ(30a)、出西生姜(20a)、コメ、トマト(ハウスでのトロ箱栽培)、大豆等
出荷JAを通じた市場出荷を主とし、一部を加工食品として出荷
販売先JA(タマネギ・キャベツ等)、直売所等
栽培慣行農業
作業者農業担当:就労継続支援B型利用者20名、職員5名|加工担当:就労継続支援B型利用者5名、職員1名|作業請負担当:就労継続支援B型利用者9名、職員1名
事例紹介|社会福祉法人喜和会 太陽の里
トマトのミックスソース、自家製味噌、せわやき隊
トマトのミックスソース|自家製味噌|せわやき隊
<6次産業化の取り組み>
  • 加工

    トマト・生姜等を原料としたミックスソース、大豆を原料とした味噌の製造を行っている(原料の一部の大豆は農家から購入している)

  • 販売

    農産物は基本的にJAを通して出荷し、一部地域の直売所にも出荷している。加工したミックスソースについては直売所および東京の小売店などで販売していた。

<地域等との連携>
  • 太陽の里は「せわやき隊」として、高齢化で作業が大変になっている農家からの作業受託(施設外就労)を行っている。作業受託を募集するチラシの配布については、地域のJAの協力を得行った。作業受託として行う冬場の堆肥散布は手作業で10haにおよぶ。地域との関係は良好で、作業受託により地域農家を支えている。

    連携関係:障害者福祉事業所←→地域農家
    • 農家の農作業手伝い
    • 新たな職域の開拓
    連携関係:障害者福祉事業所←JA
    • 作業受託のためのPR活動
  • 大豆およびミックスソースの原料となるトマトを地域農家より購入している。

    連携関係:障害者福祉事業所←→地域農家
    • 原料の確保
    • 農家は新たな販路開拓
  • 地域農家からだけでは原料のトマトが足りないことから、近隣の3つの障害者福祉事業所にトマト栽培技術を提供し、ミックスソースの原料となるトマトの共同栽培に取り組んでいる。

    連携関係:障害者福祉事業所←→ほかの障害者福祉事業所
    地域内の福福連携
    • 原料の確保
    • ほかの事業所は新たな職域の開拓
  • 出西生姜栽培は高齢化によりリタイアする農家から伝統的な栽培技術を引き継いだ。

    連携関係:障害者福祉事業所←→地域農家
    伝統技術および伝統農産物の継承
    • 地域伝統農業生産方法の継承
    • 地域伝統農産物の生産の継承
  • トマトの栽培指導を月2~3回、JAの営農指導員から受けている。また出荷も資材もJAを利用している。

    連携関係:障害者福祉事業所←→JA
    • 安定した販路の確保
    • JAからの資材購入
    • JAからの技術指導
<その他>
  • 職員2名がJA組合員であり、太陽の里もJAのトマト部会等に加入している。
  • 農地の借り入れについては農業委員会を通じて利用権設定により行っている。
  • 白ネギの生産量は町内全生産面積12haのうちの約1割に達している。
(5)今後の展望

利用者の平均年齢は47歳と年々高齢化している。そのため今後、重労働となる作業が困難になり、高まる作業受託ニーズには対応しきれなくなる可能性がある。一方で、若い利用者を確保するため特別支援学校から実習や見学を積極的に受け入れている。

また、ミックスソースの需要も高いため、近隣の障害者福祉事業所との連携を一層はかり、トマトの共同生産に取り組む。

さらに「せわやき隊」の取り組みについては、今後拡充できるように検討していく予定である。