障害者就「農」にかかる事例紹介 §4
NPO法人グラン・リッシュ
- (1)法人概要
設立 平成23年 代表 理事長 望月美輪 本部 長野県安曇野市明科中川手3921番地 事業内容 就労継続支援B型・生活介護、上田市丸子物産館のカフェを市より受託 グラン・リッシュは、厚生労働省による障害者の就労系事業を取得していない法人である。あくまで、行政の助成金に頼らず、障害者事業所へのコンサル事業によって、県内の障害者事業所の底上げを目指している。
- (2)調査日/対応者
- 平成25年11月27日/栁澤正敏氏
- (3)調査目的
- 障害者事業所のネットワーク化による商品開発および販売に取り組み。
- (4)調査内容
① 事業所間の垂直的・水平的統合事業
障害者事業所がそれぞれ強みとする農業生産、第一次加工、第二次加工などを垂直的につなげ、また原料の共同生産など水平的につなげることで、小さな事業所間の縦横の共同生産に取り組んでいる。法人は統合の調整、企画、商品開発、そして生産したものブランディング、販売を行っている。
② ドングリの利用
クヌギ等のドングリを利用したコーヒー、ハーブティ、ドングリ粉(パンやクッキーの原料の一部に利用)などの食品製造およびドングリのピンバッジ製造を行っている。
この製造過程を県内の複数の事業所が担っている。
- (5)今後の展望
- 安曇野市はリンゴ、ブドウ、プルーン、アンズ、ナシなどの栽培が盛んである。しかし、出荷に向く果実は全体の30%程度であり、生産品の多くが廃棄処分となっている。また、生産者の高齢化により、手作業で行われる収穫作業も高齢農家の負担となっている。
- 果実は収穫期には大量に出回り価格の下落が見られるところであり、これを加工することにより、より広い販売形態を作りながら消費拡大を図り、農家の安定した収入につなげる必要がある
- 法人は今後ドライフルーツを生産し、農家や障害者事業所を連携させることで、それぞれの課題を解決するとともに、それぞれの強みを活かす取り組みを行う予定である。